中央アプルス「宝剣岳(2931m)・御嶽山(3067m)

2004.8.27
いきなり垂直に見える谷があった。(写真は帰りに逆側から撮ったもの。間の谷も写ってないのでイマイチ雰囲気が伝わらないが・・・)

その向こうに垂直に見える壁のような岸壁・・・。UDAは「・・・これは無理だろ。。」自分も一瞬そう思った。いきなりロッククライミングなんてできんよ。。そう思ったがとりあえずおそるおそる進んでみると、急峻な岩場には鎖が用意されているのでそれを使って三点支持を保てば進める進める。やりだすとこれがかなり楽しかった。もちろん一瞬でも手を滑らせたり足を滑らせば滑落して死ぬ危険はあるのだが、そんなスリルを目の前にするとアドレナリンが出てくるせいか妙にハイな気分になってしまうのであった。宝剣岳の頂上まではそのような岩場の連続。金曜日という事もあって人はほとんどいないので広い山に二人という奇妙な感覚だった。立ち止まると風がないため全く音がない世界。いかに文明が発達しようとも大自然に放り出されると言いようのない孤独感がある事に今さらながら気づかされた。
 
途中すれ違った家族づれが我々の通った来た岩場越えの逆行に苦労している様子だった。後で知ったのだが、宝剣岳は千畳敷→木曾駒ケ岳→宝剣岳→極楽平→千畳敷というのが一般的なルートらしい。そのなかでも宝剣岳−極楽平間がもっとも危険度が高い岩場で初心者は避けるのが無難との事だった。なので一応富士山には登った事があるとはいえ素人同然の自分。さらに山登り初のUDA。かなりインパクトのある登山になったのは間違いない。

その後は緊張感はかなりあるものの、体力的にはそれほどきつくはない岩場を順調にこなし頂上に到達。頂上には一人中年の男性がいるだけだった。岩峰で頂上はせまく、デカい岩があるがなんか危険な感じがしたのでそれには登らなかった。けど後でいろいろインターネットの登山日記等を見たところ、宝剣岳を制したらここに登るのが通?らしい。UDAは後で悔しがっていた。

とりあえず記念撮影をして少し休み、時間もそれほど余っていないので元のルートを戻り始める。登りでも思ったのだが異常な岩が一箇所ある。物理的にありえないような横向きに突き出した岩。何十年も安定しているのだから問題はないのだろうが、物理的なモーメントがこの方向にXX[N(ニュートン)]かかっているとか考えると恐ろしくてすぐにくぐり抜けた。

下から見た宝剣岳

帰りは垂直に見えるガケも2度目なので余裕しゃくしゃく。ビデオを撮ってみたりした。極楽平まではあっという間に戻り、きつかった登りもストックを使用して問題なく下山。終ロープウェーの20分前には千畳敷駅に戻った。世界第2位の標高差のロープウェーを降り登山初日は無事に終わった。

曇ってしまってちょい見えないが千畳敷駅から見た宝剣岳。右側が千畳敷カール。

<< BACK    MENU    NEXT >>