八ヶ岳縦走「硫黄岳(2760m)・横岳(2829m)・赤岳(2889m)・阿弥陀岳(2805m)」

2004.10.16
自分のヘッドランプみるみる暗くなっていく!電池切れである。予備の電池は持ってきているので取り替えればいいのだが、軍手をした手もこの強風には全く効かず冷え切って動かない。電池交換にえらく時間を費やした気がする。その間歩みを止めたのでUDAも一気に体が冷えたらしく防寒のため雨具を身に着けた。電池を交換して山小屋があるべき方向に向かうが進行方向右側は深く切れ落ちていて(後で知ったのだが爆裂火口らしかった)一歩踏み外したらかなりの距離を落ちてお陀仏だろう。足元に注意して進んでいくと山小屋らしき明かりが見えた。期待感を抱きつつ歩を速める。コンパスはこまめに見ながら。そして進んでいくと・・・。 なんと明かりが見えなくなった!! なんだ?と思いつつそのまま進む。こんな時間に電気消したか?丘でもあって見えなくなったのかな?きっとそうだろう。不安な想いをかき消すようにさらに速く進んでいくと。。案の定丘があったようでかなり近くに山小屋が見えた!ほぼダッシュの歩きで硫黄岳山荘に無事到着!小屋の中の暖かい事!UDAも自分もヘッドランプをつけて強風の中を歩いてきたせいか頭がボサボサであった。そんなささいな事に気を回せる自分を見て冗談抜きで生きてて良かったと一瞬考えてしまった。。
ちなみに、美濃戸口を3時に出てここを目指すのは「無謀」の一言で山小屋の人に非難の目を向けられてしまった。メシを食いながら出てくる言葉は「生きててよかったな…。」がお互い数度。心の底からしみじみと湧き上がってくる実感であった。冷静に考えてみると、「地図」「コンパス」「ヘッドライト」このうち一つでも欠けていたらここに辿り着けなかった可能性はかなり高いのではないか?日帰りで登るような山にはヘッドライトを持って行かない人も多いと聞く。今回はたまたまか、準備がよかったのかしらないがヘッドライトとコンパスは二人ともあった。地図も10cm四方ほどの物だがしっかり持って来た。ベテランに言わせれば当たり前かもしれないが、いざこういう状況を味わった後だと絶対欠かせない装備のベスト3だと改めて思った。メシを食べた後は「8時で消灯でーす」の声。えっ?マジ? 山小屋泊まりが初めてだった我々はそんな常識もしらなかった。急いで歯を磨いて寝る準備をする。水は冷たすぎて口をゆすぐのがつらい。なんとか8時直前に寝る支度を終えて寝床に着くことが出来た。こうして激動?の八ヶ岳登山初日はなんとか無事に終わることになった。。。to be continued...
 
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